2015年2月21日土曜日

Streichquartett Nr.6 f-moll Op.80 - F.Mendelssohn

慟哭!
この曲のためにあるような言葉だ。
この曲、Felix Mendelssohnの泣き声だ、と僕は思っている。
僕らもそれに釣られて泣けるわけだが、その「泣き」とは、感動して泣くというよりは、ああ、苦しいよな、わかる、という感じのものだ。

Mendelssohnの曲としては本当に珍しく(と僕は思っている)、旋律1+その他3の構成で書かれている。
曲想に関しては……あの貴族出身の優柔不断で(長調か短調か迷い続けて長調にした挙句、人のアドバイスを受けて短調に戻し、それを思い直して長調に戻すも一部だけ短調を残してみる、みたいなことをやっていたりする)優美な曲を作ることで有名な(若干disり気味)Mendelssohnが、ここまで悲劇的な構想の曲を書くとは……という感じである。
執拗に繰り返される音形の中に歌い上げられる旋律には鳥肌が立つ。


この作品は、Felix Mendelssohn 38歳、最晩年のものである。
この年、Felixは、最愛の姉Fannyを亡くしている。
このFannyはFelixにとって最大のライバルであり、助言者であった。
Fannyを亡くしてから2ヶ月後、最初に取り組んだのが、この弦楽四重奏6番の作曲であった。
この曲の完成からさらに2ヶ月後、Felixも亡くなることになる。
この二人の死因は、どちらも脳卒中であった。


室内楽の楽曲というのは、本当に良い録音がない。(気に入るものが少ない)。
いくつかの音源を持ってはいるが、はじめから終わりまで満足させてくれるものは少ない。
大体はじめで「違うなぁ」ってなってしまうのだけれど。
この録音はそういうなかで大分、というかもっとも良いのではないかと思う。
探すのはちょっと大変でした。

それでは、第六回国際ヨーゼフ・ヨアヒム室内楽コンペから、第二位のDudok Kwartetの演奏をおたのしみください。


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